企業の地域貢献とは?②

さて、どんな人や企業でも「成長の歴史」がある。同じように文明や国家においても歴史があり、人類はその栄枯盛衰の歴史をいまでも抱え込むことで苦悩している。ある面ではその先祖返りのような価値観の対立や紛争が世界を不安にしている。
歴史で習った大文明や様々な大帝国の滅亡が、次の時代や現代にどう影響してきたかはもっと深く勉強する必要があるのだろうが、少なくとも近代、現代は西洋のルネサンス、宗教革命やフランス革命、産業革命などを経て、第一次、第二次世界大戦の教訓を得ながら世界的・人類的視点や、国連創設の価値を認めながらグローバルな視点の中に、人権や平和、人類や地球という普遍的価値を共有してきたことは間違いないだろう。
その普遍的な価値を商品やサービス化して消費社会は、今も世界を回しており、形態は異なるとしても人間の営みとして「企業」は世界に浸透し存在している。西洋的市民社会の普及とともに、ますます広まり、世界戦略企業はさらに寡占化し大きくなってきた。実際には一部の資本家や政治家、大企業が、国家をあげてそうした主義主張をイデオロギーに、宗教的現実的利益追求に軍隊を前に企業が世界に進出、侵略するという帝国主義が争い、まさに20世紀は「戦争の歴史」であったとされる。

近代、現代は人類にとっても豊かさ、成長の時代であるが、その社会や地域には格差があり、安倍ノミクスで言う「シャンパン・タワー」トリクルダウン論で世界にその豊かさを広めつつも、現実にはかなりの格差、収奪の世界でもある。このままの消費社会、公害や格差を拡大していく「成長の限界」が言われ始めながら、20世紀から21世紀の初めに勝者は遅れて登場したアメリカの独壇場になったのだろう。
アメリカ合衆国は建国300年に満たない、西欧からの独立戦争で登場した、世界からの移民によっての後発国家でありながら、民主主義、資本主義の人類初の実験的なモデル国家でもある。そして、その経済的発展の大国が「世界の警察」を自任して、米ソ冷戦体制に勝利して、今日に至っている。日本は戦後、その米国の属国的な位置に甘んじながらも、高度経済成長を実現し、敗戦の焼け野原から急速に発展して世界第2位の経済大国にまで成長してきた。
しかし、「平成」(平和に成る」というこの30年間で、世界は大きく様変わりしている。世界は2大イデオロギー対立にとどまらずに、アラブという蜂の巣を米国が突っついたおかげでより複雑で分散した宗教、民族対立から大量な難民、移民を拡散し、西欧はEUという実験に挑戦しつつその難民問題に苦悩せざるを得ない状況にある。後発の中国はいまや日本のGDPを抜いて第2位の地位を奪い、世界の主導権を奪うまでに成長してきた。
そうした中で米国は、お粗末なトランプ大統領の「アメリカ・ファースト」という自国優先政策で「世界の警察官」から降りようとしている。それは既にアメリカの経済力では支えられない世界の始まりを示していると言えないだろうか? もはや米国は世界の表舞台には立てない時代を迎え始めているのだ。
この世界的な混乱と多様化の様相、実際の激変は、米国の衰退というより、背景としてこの間インターネットの急速な普及での「IT革命」が世界を大きく変え、全てのパラダイムシフトの時代を迎えているといえるだろう。
もちろん、インターネットでの巨大企業(FAGA)も米国にある。しかし、この4大企業の経済力、企業価値は、ものづくり大国であった日本の大企業の数千倍であり、米国のGEもIBMも同じような状況であって、従来の経済大国を支えてきた企業ではない。このネット企業の台頭は、従来の企業の世界戦略を大きく変えざるを得ないのだ。
いいかえれば、これら企業の「社会貢献」というときの「社会」のイメージは現実的な地域や国家という枠組みをとうに超えている。それはまさに「グローバリゼーション(地球を丸ごと一つとして考える)」という企業であり、既に旧態然たる国家の枠組みを超越していないだろうか。そして、インターネットの世界は、人類共有すべき企業価値を創出してきており、世界のプラットフォームとして成長していく責任が生まれてきている。また、そうしたパワーを秘めている。
現在のところ、彼らは個人や小さな企業から創業したベンチャーであって、古い米国の大企業モデルや世界進出の野望に燃えているのかもしれないが、そうした創業者レベルから大きな転換を迎えるだろう。当然、今の創業者たちが必ずやがて成長し脱却できるのかは未知数だが、彼らの多くは白人の古い米国人でなく、移民出身や若い人間である。そうした彼らが自分の企業をもって、世界を変える存在になる可能性に期待したい。それが人間が「人類」というアイデンティティを得る時代への希望でもあるのではないだろうか。

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